クリニックに必要な集患対策とは?具体的な方法とポイントを解説!

ポートフォリオ
  • 落下傘での新規開業。どうすれば効率良く集患ができる?
  • 周りにはライバルクリニックがたくさんある。患者さんが集まるのか不安。
  • 将来の安定した収益のためにもっとたくさんの患者さんにきてほしい。

このような悩みがあるクリニックの院長は多いのではないでしょうか?

近年ではいずれの診療科においても、安定した経営をしていくためには、集患対策が必須といわれています。

具体的な集患対策として、

  • クリニックの特徴や魅力をより多くの人に知ってもらう
  • 来院した患者さんの満足度を高める

この2つを実現させる戦略が重要となります。

しかし、これまで本腰を入れて集患対策をしてこなかったクリニックにとっては、いざやろうと思うと不安はつきものです。

いろいろと費用をかけて集患対策をしてみたものの、ほとんど患者数は変わらなかった

結局は時間とお金を失っただけ・・

このようになることは避けたいですね。

どういう方向性で集患をするのか?しっかりと戦略を立てるためには何に費用をかけるべきか?これらのポイントを抑えて効果的な集患対策の参考にしてください。

クリニックの集患対策はマーケティング戦略

クリニックの集患対策を一般企業で言い換えればマーケティング戦略と同じものと言えます。

  • 自院のことをどのような人たちに知ってもらいたいのか?
  • 自院の魅力や特徴、雰囲気を伝えるにはどのような広告にすれば伝わるか?

ここを突きつめて戦略を練っていくことが大切です。もし自院が専門性のある診療をしていたとしても、対象としている患者さんに知られなければ来院は見込めないでしょう。

自院のことを広く知ってもらうには、オンラインとオフラインの広告を上手く活用していくことがポイントです。

ここでは、オンラインとオフラインに分けて詳しく解説していきます。

オンラインの広告戦略

一世代前の集患対策といえば、駅の看板広告や町中の電柱看板、チラシのポスティングなどが主流だったでしょう。しかし、今の時代は若年者層だけでなく高齢者層でも情報の収集源はインターネットです。実際に高齢者のスマホの普及率は60代で9割70代で7割との調査結果もあります。

集患の対象が高齢者なのでオンライン対策は不要。このようなことは言えない時代となってきていることがわかります。

ここでは必須のオンライン対策を4つ解説します。

オリジナルのホームページ作成 

オンラインで行う集患対策の第一歩は、自院オリジナルのホームページ作成です。

ホームページは、掲載できる情報量が多く、診察時間や内容、クリニックまでのアクセス方法、連休期間の休診予定など、さまざまな情報を掲載することができます。

院長や職員の紹介、待合室や検査室、診察室の様子を公開することで、患者さんが安心して受診できる環境が作れるのもオリジナルホームページのメリットです。

最近では、院長作成のブログ記事や病気や予防に関するコラム記事を掲載しているクリニックが増えています。院長の ”人となり” にも触れることができる工夫と言えるでしょう。

ホームページ作成のデメリットは、拘って作成しようとすればするほど「時間と費用が必要」ということです。ブログやコラムを運営しようとすれば、さらに労力が必要となります。

SEO対策をする

SEOとは「Search Engine Optimization」の頭文字をとったものです。

簡単にいうと、インターネットの検索結果の1ページ目に表示されるように、ホームページの中身(サイト設計やコンテンツ)の工夫をすることです。

例えば、「内視鏡検査 痛くない」のキーワードをインターネットで検索した時、検索結果の1ページ目の上位に表示させる対策のことになります。

2023年1月の検索結果

病気や悩みを抱えた方は、まずはインターネットで検索をします。

もし検索結果の上位に自院ホームページが掲載されれば、より多くの人に知ってもらえることにつながるでしょう。

MEO対策

MEOとは「Map Engine Optimization」の頭文字をとったものです。

Googleマップで検索をした時に、検索結果の上位に表示されるようにする対策です。こちらもSEOと同様にオンラインで集客するためには必須の対策となります。

例えば、パソコンのGoogleで「難波 形成外科」と検索をすると、検索結果候補の3つのクリニックがトップページに出てきます。

2023年1月の検索結果

右側に地図、左側に難波の形成外科を標榜しているクリニックが表示されていますが、左側で上位に表示させる対策のことをMEO対策といいます。

クリニックを探す時、自宅や職場など自分の生活圏から近いところで探す人が多いです。「地名+〇〇科」の検索結果の上位に表示されれば、クリニックの露出が増え集患にもつながります。

SNSの活用

集患対策に活用できるSNSには、TwitterやInstagram、Facebookなどがあります。

それぞれに特徴があり、目的に合わせた運用をしていくことが重要です。

オリジナルのホームページ作成とは異なり、SNSはいつでもすぐに無料で始められるメリットがあります。しかしその一方で、フォロワーが集まるまでは効果が出ない、継続した運用が必要というデメリットにも注意が必要。

ここでは、各SNSごとの特徴と活用例を紹介します。

オフラインの広告戦略

インターネットなどのオンライン以外にもオフラインでできる広告戦略があります。一般的なものとして、看板広告やチラシがあります。

看板広告やチラシの配布は、条件によって多額の費用がかかるので、費用対効果をよく検討したうえで実施するようにしましょう。

ここではオフラインで行う広告戦略の具体的なポイントを解説します。

看板の場所や内容を工夫

看板広告の検討で重要なのが設置場所の選定です。

看板広告の目的は、来院してほしい患者さん、病気で悩みや不安を持っている人の目に留まりやすい場所に設置することが重要です。集患対象の年齢層や行動範囲を想像して広告を掲載することがポイントになります。

例えば、一般的に広告効果の高い(多くの人の目に止まる)場所に駅の看板広告があります。クリニックから最寄駅の看板、近隣でも乗降者数の多い駅の看板と人通りの多いところの看板が狙い目となるでしょう。

しかし注意点として、人目につきやすいところの看板広告は、その分の広告掲載料も高くなります。多額の広告掲載料を投資する価値があるのかは慎重に検討する必要があります。

チラシを配布

スマホの普及率が高まりインターネットでクリニックを調べる人が多くなっていますが、その一方で、インターネットから情報を仕入れることに、まだまだ馴染みがない人もいます。

そのような人に対して、クリニックの診療時間や特色をわかりやすく記載したチラシのポスティングは受診きっかけになる場合もあるでしょう。

イベントの開催

内覧会や近隣住民対象の公開講座などの開催は集患に有効です。特に新規開業の時には、内覧会の実施は必須とも言えるでしょう。

内覧会の前後では、開催チラシの配布で周辺地域への周知が必要です。内覧会の当日は、こだわりの医療機器や院内設備、クリニック内の雰囲気、院長や職員の人柄が伝わるようにするといいでしょう。

既に開業をしており、いまさら内覧会ができない。そのようなクリニックには、近隣住民を対象とした公開講座を開催も選択肢の一つです。

クリニック主催で患者さんや患者さんの家族、地域住民を対象に、健康や病気の予防、生活習慣について講義を行います。内覧会と同じように、院長の人柄が伝わる機会となり受診のきっかけにつながることも期待できます。

患者満足度を上げることもクリニックの集患対策になる

クリニックでは口コミによる集患対策の効果も絶大です。

家族や友人、身近な人から「あのクリニックは先生がよく話を聞いてくれるのでいい!」「あそこの職員はみんなが愛想いい」などプラスの口コミが広がれば、集患につながることが期待できます。 

下記の調査データは、インターネット集客の重要性を示す調査ですが、結果を見ると口コミが受診のきっかけになっていることがわかります。

待ち時間の対策

クリニックの待ち時間の長さは、患者さんの評判に大きな影響を与えます。

1時間、2時間と待ったにも関わらず、診察時間はたった3分。診察が終わり、早く帰りたいにも関わらず会計や処方箋の発行に時間がかかる。

よくありそうなことですが、このような事態が慢性的に起こっているとクリニックの評判を下げることにつながってしまいます。

厚生労働省の調査では、病院に受診する患者さんの約半数が、診察までの待ち時間30分未満との結果がでています。一般生活者の多くはクリニックより病院の方が待ち時間が長い印象を持っていますので、1時間以上も待たされるとなると患者満足度に致命的な影響を与えることでしょう。

「病院の種類別にみた外来患者の診察などまでの待ち時間」 編集

クリニックでできる待ち時間対策には下記の方法があります。積極的に導入するようにしましょう。

  • 順番予約システムの導入
  • 診察時間が近づいた時の呼び出しシステム
  • 診察までの待ち時間表示システムの導入
  • 雑誌や新聞などの設置
  • フリーWifiの設置
  • カフェスペースや待合室設備の充実

接遇の対策

医師や看護師、会計スタッフの接遇も患者満足度に与える影響は大きいです。

クリニックでの接遇は、医療機関である特性をよく理解したうえでの接遇が重要となります。その代表的な特性のひとつが、来院患者さんの心理状態でしょう。

クリニックに受診する患者さんは、身体の状態に不安を抱えて来院します。つまり、安心して診療を受けてもらえる心遣いが医療接遇に求められます。

例えば、問診票の記入においても気配りができればワンランク上の接遇が可能です。患者さんの中には問診票をどのように書いたらいいのかわからない人もいるでしょう。

高齢者では指先が不自由で文字が書きにくくなっていたり、もしかすると、視力が落ちていて問診票の文字が読みにくいこともあるかもしれません。

患者さんの様子に気を配った主体的な行動が患者さんを安心させ、クリニックの評判を上げることにつながります。

接遇トレーニングの実施方法

・院内で勉強会の実施
・外部の接遇研修を受講
・医療接遇のコンサルティングを受ける

まとめ

クリニックでの集患対策のポイントは、

  • オンラインやオフラインのツールを活用して「広く知ってもらう」
  • 受診した患者さんへの診療と接遇を通して「満足度を高める」

この2つをいかに戦略的に行うかによります。

しかし、これまで取り組んでこなかったクリニックにとっては、ホームページ作成のひとつとっても膨大な時間がかかってしまいます。クリニックの看板とも言えるオンライン対策に投資することはクリニックを持続的に成長させていくためには欠かせません。

医療接遇においても、一から自院で取り組むとなると大変です。接遇のノウハウやスキルがなければ職員にレクチャーすることも難しいでしょう。

オンライン集客の専門業社、医療機関の職員接遇の専門業社など、プロの力を借りつつ、自分は診療行為に集中。このような役割分担もクリニックの経営には大切です。

本記事を参考に、集患対策を考えるきっかけにしていただけると幸いです。

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